
”ヴァン・ルパン倉敷”石原店長のブログもお肉料理まで来ていよいよ終盤に差し掛かってきました。終わりが近づきちょっと寂しい気もしますが行ってみましょう

プチット・リュ食事会 2015年 その6-1
【肉料理】島人参のキャラメリゼを添えてお肉
伊江島牛ホホ肉のブッフ・ブルギニョン
〒900-0014 沖縄県 那覇市 松尾 2-10-20
TEL:098-863-0716
プチット リュ(那覇・公設市場)
![a0117421_00563138[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_005631385B15D-thumbnail2.jpg)
牛肉のワイン煮込みブルゴーニュ風、ということで、
何を合わせようか、非常に迷った。
理由は、ブルゴーニュ産の赤ワインなら、何でも合いそうだから。
頭に浮かぶ候補が多すぎて、逆に絞り込むことが難しかった。
それならいっそ、調和というより、ワインの味わいを前に押し出し、
よりワイン側を楽しんで頂くのもアリか?…とも思った。
しかしその考えは、心を込めたお料理が登場した時、
間違いだと分かった。
今回は、それを実感できたのも収穫の1つだったが…それはまた後ほどに。
牛肉のワイン煮込みに合わせるワインを選ぶためにまず考えた候補は、
沖縄=南から連想した、黄金の丘の南の中の銘柄。
確か、2005年物のメルキュレィ・ヴィエイユ・ヴィーニュが、
2014年の10月中旬の時点で極めて美味しかったのを思い出した。
![a0117421_19112580[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_191125805B15D-thumbnail2.jpg)
メルキュレィ ルージュ
ヴィエイユ・ヴィーニュ
Dm.フランソワ・ラキエ
2005
![a0117421_19113421[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_191134215B15D-thumbnail2.jpg)
ジュヴレィ・シャンベルタン
ヴィエイユ・ヴィーニュ
Dm.ジャン・ミッシェル・ギュイヨン
2009
大豊作の2005年。黄金の丘ではないが一流の造り手。
古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)の葡萄のみを使用。
赤い果実、可憐な舌触り、キメ細やかなタンニン、美しいバランス。
そして綺麗な熟成。
凡そピノノワールに求められる要素はすべて入っているような、
魅惑的な感動を与えてくれた。
加えて、グィグィ前に出るのでなく、
あくまで半歩引いた位置からお料理を引き立てる力を持っている。
これなら自信を持って出せる。
と考えた。
さらに、何か面白いワインでダメ押ししたい…!
…ということで、ジャン・ミッシェル・ギュイヨンの
ジュヴレィ・シャンベルタンのヴィエイユ・ヴィーニュを用意した。
超当たり年といわれている2009年は、供給量が少なく試飲が出来ていなかった。
旧来のヴィンテージをずっと飲んできた経験から想像するに、
手抜きない実直な造りの味わいであることだけは確かだ。
今回のメインイベンターにすれば、
参加者の方々も、より一層食事会をお楽しみいただけるだろう。
私の用意したまるで二弾ロケットのような味の弾を受けた方に、
少しでも至高の味わいを感じていただきたい…
という思いで選出した2本だ。
To Be Continued…
プチット・リュ食事会 2015年 その6-2
【肉料理】島人参のキャラメリゼを添えてお肉
伊江島牛ホホ肉のブッフ・ブルギニョン
〒900-0014 沖縄県 那覇市 松尾 2-10-20
TEL:098-863-0716
プチット リュ(那覇・公設市場)
![a0117421_23200106[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_232001065B15D-thumbnail2.jpg)
新屋シェフが、
『牛肉のワイン煮込みブルゴーニュ風』
の皿を我々の前に並べ始めたのを
見計らって、まずはメルキュレイから
グラスに注いだ。
試しに飲んでみると、うん。
間違い無く旨いブルゴーニュだ。
お料理をお客様に出す前に、
グラスにワインを注ぎ切り、
すべてのテーブルに配布した。
スパークリング、白3品目の後…の赤!
ということで、お料理の前にお客様方は、皆、そのグラスを口に運び、
「旨い…」という言葉を口にして下さっていたように思う。
![a0117421_19112580[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_191125805B15D-thumbnail2.jpg)
メルキュレィ ルージュ
ヴィエイユ・ヴィーニュ
Dm.フランソワ・ラキエ
2005
![a0117421_19113421[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_191134215B15D-thumbnail2.jpg)
ジュヴレィ・シャンベルタン
ヴィエイユ・ヴィーニュ
Dm.ジャン・ミッシェル・ギュイヨン
2009
グラスのスペースが空いたので、波状攻撃を仕掛けるべく、
ジュヴレィ・シャンベルタンをグラスに注ぎ、試し飲み。
すると、かなりの力強さと共に、獣のニュアンスが感じられた。
お料理と一緒なら恐らくはまとまるが、ちょっと気に入らないなぁ…
なんて思っていた。
お料理の皿をお客様に運び、まずはメルキュレイと試して頂いた。
これは十分過ぎるほど美味しい。綺麗なマリアージュだ。
こんなお料理&ワインで楽しめると良いよなぁ…なんて思った。
が、ジュヴレィ・シャンベルタンを配布し、飲んでみた時、
その調和に驚かされる事になった。
![a0117421_00563138[1].jpg](http://petiteruenaha.sakura.ne.jp/sblo_files/petiterue/image/a0117421_005631385B15D-thumbnail2.jpg)
ワイン単体の時は、メルキュレィの方が、
まとまりが良かった。しかし、
ブッフ・ブルギニョンと共に口に運んだ時、
メルキュレイは1+1=4、
ジュヴレィは1+1=7
になってしまう。
しかも後者は、ワインが開くに従って、
更なる高みへ向かおうとする。
下草や木、ヨードや赤果実、更にトマトの風味が浮き上がってくる。
ワイン単体では感じなかった匂いを、ワインの中から引っ張り出してしまう…
お料理にはそんな能力もあるのか…と驚いた。
シェフの造る料理の額縁になって、より絵画を引き立てるのが、
ワインの役目なのだと思っていた。
が、お料理によって、ワインの底にある物を引っ張り出された…
心を込めたお料理は、額縁さえも際立たせてしまうのだと感じた。
「調和」する、それをマリアージュと考えていたが、
お互いの潜在部分を引き出し合う、一歩進んだマリアージュもあるのだ、
と感じさせられた。
その先にある、海溝のような深さを、一瞬だけ垣間見たような気がした。
to be continued…