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琉球王朝復刻陶器のお披露目パーティーを終え、陶工家さんの作業風景をすぐにでも見てみたいと思い、出発の日の朝にホテルを予約し、インターネットで調べた皆様のかろうじて分かった工房の住所や電話番号を頼りに昨日、一昨日の定休日に陶工家さん達を訪ねてみました

8名の陶工家さんが今回のプロジェクトに参加されました。相方も焼き物の知識はほとんどなかったので、お店にご来店頂いた6名の方を訪ねることにしました。今回訪問できなかった、
上江洲先生、
宮城先生にもまた会いに行こうと思っています

一日目、まずは”やちむんの里”の
松田 米司さんと
松田 共司さんの北窯へ

お兄さんの米司さんにお話をじっくりとお聞きすることができました。米司さんの工房の床は土で、土間のような囲炉裏の周りで、

実際の器に触れながら。とても有意義な時間でした。日常に根ざした器作りにも精力的に制作されている米司さん。一番印象的だったのは、”新しい感性やアイデア、器は人との出会いなしではありえない”と説明されていた点です。
その器を使う人の立場に立っての器作り。先生の言葉に感動しました。
お話を聞く時、たまたま撮影に来られていた、浦添工業高校写真部顧問の照屋先生とも一緒にお話が出来ました。せっかくのチャンスと思い米司さんとの写真を、

撮って頂きました

ちなみに相方が撮った、米司さんと照屋先生の写真は、

こんな感じです。
作業中の弟さんの共司さんにもあいさつをし、”やちむんの里”をあとにしました

次に向かったのは大宜味村の
玉城夫妻(望さん・若子さん)の登り窯。大宜味までは順調だったのですが、ナビでたどり着いたところは何もなく、しばらく走っていると、

携帯の電波も入らない獣道になったので、’これはまずい!’

と思い58号線に戻り玉城さんに電話をし、指定されたコンビニまで迎えに来てもらうことに。玉城さんありがとうございました

そして玉城さんの車についていく事15分、玉城さんの工房に到着。次回は大丈夫そうですが初めての人にはナビでも道路がないところなので難しいかもしれません。
玉城さんの工房では、登り窯の

説明と、今回の古陶にかける思いを、

しっかりと聞くことが出来ました。僕もとても印象的だった花形盛皿、玉城さんは何度も博物館に通ってどうやって昔の人は作ったのだろうと思いをはせながら復刻されたそうです。玉城さんの出した答えは、ろくろで上部も閉じ、それを縦に切り目を入れて花びらの形にされたそうです。なるほど〜
また奇数が縁起が良いとされるので、9つの花びらの中心部の丸い部分はひとつと考えず、盃や急須など何か別のものが据えられるのじゃないかなあとも説明されていました。お披露目の会では僕は中心にタルタルマヨネーズを入れましたが、そういった形で花びらと別個のものと考えたのは少し正解だったと思いました。

玉城さんの工房は、ノグチゲラやヤンバルクイナもひょいひょいっと出てくるような森の中です。到着すると音の無さにびっくりしました。聴こえてくるのは風の音と鳥の鳴き声。
創作活動にも全神経を集中させることの出来る環境だと思いました

工房見学のあとは、
沖縄食材に興味のある我々のために、玉城さんのご厚意で植物や野菜に詳しい別の集落のご夫妻を紹介して頂きました


刈り取って頂いているのは沖縄の人が呼ぶ”
唐木(からき)” 、シナモンの木です。こちらでの様子は番外編でまた詳しくお伝えしたいと思います。
ホテルにチェックインしたのは周りが暗くなる頃に。玉城さん本当にいろいろとありがとうございました
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ホテルでは、鉄板焼きと

ルフレーヴのワインでお会いした陶工家さんのお話の余韻に浸り、やんばるの夜は更けていきました
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さあ2日目。こうなれば皆さんに絶対会って帰るぞ〜と意気込みながら、今帰仁村の、
仲里 香織さんの工房へ向かいました

ここでもまた迷い

、仲里さんの工房に電話をし、到着することが出来ました。スマートに到着したかったのですが・・・・、でも迎えてくれた仲里さんは、

とても爽やかで、工房の”
風香原”の名前通り、素敵な環境で制作されているのだなあと思いました。


工房ではどんどんと陶器が制作されていました


仲里さんは昔の陶工の方々の仕事ぶりに、”胸がキュンキュンするんです”と目を輝かせながら仰っていました。
自由でおおらかでかつ美しい先人の仕事に思いを寄せていらっしゃいました。

僕も中江監督に古陶をずらっと見せて頂いたときはプレッシャーしかありませんでしたが、当日ピンチョスを刺し始めた時に今までで初めてゾクゾクっとした不思議な感情が起こりました。お皿が進みにつれ理由は分かりませんが’楽しいなあ〜!’という気持ちが止まりませんでした

普段作る器と違い、先人たちが残した’古陶’に皆さまがアプローチされている様子にはロマンを感じました。最後に訪問させて頂いた、江口窯の、


江口 聡さんも、フランスのマティスに影響を受けた繰り返しの美という独特の感性で器作りに取り組まれています。
訪問した時に感じたいろいろな雰囲気の土。そこに人の知恵と感性が加わり今の時代に蘇った”琉球古陶”
4月3日(金)〜5月8日(木)からは桜坂劇場2階の”ふくら舎”さんで8名の陶工家さんの魂のこもった作品200点が展示・販売されます
当店でも一気には無理ですが古陶を少しずつ取り入れていこうと思っています。3日の発売日が待ち遠しいです

復刻陶器を使った琉球フレンチ。陶工家さんを訪ね、料理にも真摯に取り組み、沖縄食材のフランス料理との調和をさらに進めていこうと思ったとても有意義な小旅行となりました